作文帳

6分前

2023-01-01から1年間の記事一覧

じゃがいもの芽

たしか私は大袈裟なことを言った。 水風船に、帰りの汽車代を詰めた。マックのハンバーガーだとかそういうものを食べてお腹が痛くなることを伝えてからでないと、あなたとは暮らせないと思った。悲しくてもいいし、飛べなくてもいいけどそれだけは伝えておか…

酸っぱいジュース

いっぺん死んでみろ!って、思う。 私はあなたがきらい。きらいできらいでしょうがない。むかつく。私のこと好きじゃないなら消えてしまえ。あのさあ。わかってるのかな。そこのところ。私が言いたいのはそこのところ。 韓国に行ったんだったね。ほんとうに…

旅行に行こうと思う 前の日の夜、キャリーバッグに荷物を詰める 最近買ったお気に入りのワンピースを丁寧に畳んで入れる 朝早く起きる 早起きは苦手だけど旅行の日の朝は目覚ましが鳴る前に起きられる あなたから起きた?って連絡が来ている。 おはようって…

上野東京

キョロキョロと忙しなく窓の外を眺める乗客がいるが、窓の外を見たところで今ここがどこなのか、わかるのだろうか?(いや、わかるまい)。 高校生の頃、熱心な国語の先生は、熱くセンスオブワンダーを読み上げた。暑苦しいほどであった。あれは夏の日でしょう…

普通列車

普通か特急かなんて概念も知らないのです。ここの人たちは。それがなんとなく今の私には心地よいのです。そんなに早くなくていい、ゆっくり歩いてもいいんだから。ゆっくり感傷に浸ったっていいんだから。あなたの日々傷ついた心をようやっと、見てもらえて…

新幹線

雲があまりにも低くてどこかに連れ去られそうな夕方。私は泣きそうだったし田んぼは青々として美しかった。小さな罪悪感が蔓草のように心臓を覆ってむしりとる気力もなく新幹線の座席に寄りかかるのでした。遠くの山や集落を見つめるのはなんとなく救われる…

朝顔

萎びた朝顔にどこへも行けない私たち。今日も悲しい言葉を聞く。 ねえねえ里へ帰るのですか。私は1人でも生きていけるので、山の葉色は緑色。 素敵だね、どう考えても素敵なのです。藍色の瞳は、甲斐性もなく夢を見る。窓辺には猫を走らせて、温かい日差し…

長老

私はあなたと一緒にいたい。 もうすぐ、夜が明ける。 鳥は私を、迎えに来てくれる。 ようやく、どこかへ行けそう。 離れ小島に一人、ぽつねんと取り残された、 雨が降り続いて私はまるで、醜い白鳥の子。 ふとここで見つけた、何もなく空虚な箱。 誰なのあな…

りぼん

ふたりで歩いていたら ちょっと後ろを歩いていた貴方が 私のブラウスの後ろについたりぼんが解けていることに気づいて ちょっと止まってって結び直してくれた 後ろに結った髪の毛を手でどかしてあげた 少しの沈黙に緊張した 貴方も緊張しているの、伝わって…

明かり

月は冷たい目で見下ろして。フローリングの床にうつぶせになって頬をつける。ひんやり冷たい。ほの暗い廊下がしっとりと湿気を含んで中庭の紫陽花の葉に雨水が滴る。こんな日に蟻はどこにいるのだろうと思う。きっと巣の中でお休み中か。空地にできた大きな…

それで

普段私が考えてることなんて 好きな人のこと 仕事に行きたくない 家事がめんどくさい お風呂めんどくさい お腹空いた 眠い 何もしたくない 毎日これらの堂々巡りなんです。 今日中華料理屋で食べた焼き餃子がとても美味しかったなとか 今日見た映画つまんな…

帰り道

いい一日の帰り道はこれだっていいものなのです。 電車に並ぶ背の低い女の子と男の子。お互いこれでもかって吸いつくように見つめあって、私はちっとも羨ましいなんて思っていないけれど、彼らを見るしかなかったのです。幸福そうな女の子と目が合ったけれど…

おそらくね

こんにちは。 こんにちは。

わからないだろうけど

今日はいいお天気です。君に会いたいなと思いました。わたしの頭の中にはたくさんの人がいるけれど、今日は君をとりだして 君に会いたいと、思いました。こんな晴れの日に 君と広い公園を散歩できたらいいのに。あたたかい陽の光に包まれてもどこか悲しいの…

雨に

どこかへ消えよう消えようと毎日思っているのだけれど、なかなか消えられなくて。今日雨がしとしと降り続いているのも雨女である私のせい。全世界に謝罪会見。私の謝罪会見は、長い。記者たちも飽き飽きして、重たいカメラを下ろし始めた。フラッシュがたか…

病院で

病院の待合で診察を待つ間は少しどきどきそわそわする。血圧計でぎゅっと絞められ腕の血管がちぎれそう。今もこれからもずっと心臓が動いてることを思い出してちょっと怖い。

不整脈が治らない

あたたかい春の夜はわたし、小学生の頃の帰りの会を思い出す がちゃがちゃと騒がしい教室に背の高い先生の大きな声響いて、私は田んぼの先の夕暮れの空と 黙って連絡帳を書く君の手を交互に眺めていた。 あたたかい春の夜はいろんなことに気づく。私もしかし…

いいわけ とりわけ かくわけ

一年前からここまで、普通に社会にふさわしい人間になろう、痛いことばっかり言ってないでいい加減大人になれよってぼちぼち頑張ってそつないふりしてきましたけど一所懸命。 ここで立ち止まってみたらなにか違ったかも。 ここ2年間くらい、たぶん嘘の私で生…

日本武道館

超越していたから、神のように見えたけれど、神を巡って庶民のあいだで小さな争いが起きていたことも今ではよい思い出にできそうだ。これは数年後に映像化されたものを見る私の感想。今はそんなことさらさら思えない。涙は止まらなかったけれど、それは争い…

どこにも

私にたとえば魔法が使えたとして ふわふわの椅子に座るのはうれしいし 乗り遅れると思った電車が遅れて来たときもうれしい 嫌ことのあった昼間、空に虹がかかってるのを見たらうれしい でも私はこれらのことを魔法を使って叶えさせたりはしないだろう 待って…

青いワンピースの日(架空)

学校にいたころは毎日会えたのに、一つも記憶がありません。 しろくてまるい月が私を冷たく見下ろす。象徴するものに気づけたらいいけれど、私には多分それだけの知識が足りない。大声で叫ぶのを我慢することしかできない。叫ぶのに一生懸命になりすぎて、リ…