作文帳

6分前

何を思うの?

私と君が会わなくなってからさ

カネコアヤノのベースも変わって

カネコアヤノの髪も短くなって

新しいアルバムも出てさ

カネコアヤノと坂本慎太郎がツーマンやってさ

亀川千代は亡くなったし

色んなことが変わったね。

世界はもっと色々変わってるよね。

私も変わったよ。

洗濯物はコインランドリーで乾燥機かけるようになったし

ティッシュを小さい巾着に入れて持ち歩くようになったよ。

私が君を思い出すのは、帰り道とお酒に酔った日くらいです。

君のことを案じることはありません。

でもまたお話ができたら、楽しいんだろうなあって思う。

 

 

 

 

 

 

噴火

おそらく私の大噴火は

透明な硝子の破片を散らばして

それらの破片を周りの人たちに浴びさせて

応急措置を取らせて

なんとか生きながらえるためのものだったと思う。

ああやって人に助けてもらうために泣いたのは

赤ちゃん以来のことで少し驚くけれど

自分だけ血が出てても誰も助けてくれないし

いろんな物今まで我慢したんだから

それぐらい私は限界だって早くわかってよ。

みんな優しいなって思う。

みんなが優しくなかったらほんとに私は死んでいただろう。

ああいう噴火をすぐに見てもらって処置してもらうのってすごく大切なんだろうなあ。

それがなければずっと被害者意識もったまんま、

いろんな物壊したくなって、いろんな人傷つけたくなって、自分もいらなくなるんだろな。

疲れたなー。めいちゃんに会いたい。

だから結局私は根が真面目だし、嫌われたくないし、人からどう思われるか人一倍気にしてるんだから、一周回って身につけた理論武装も疲れた時には敵わないよ。ただこんな夜にもあんな夢見て期待してる。ハグされたいだけなのに。

 

肌はさらさら

私毎日、特別泣きたいこともないけれど

特別嬉しいこともなく

食べ物を腐らせることはとても得意になって

日曜日の夜は何も受け入れられなくて眠らまいと絵をひたすら描く。

ときめいたらこちらの暗闇にもアクセサリーが光りそう。

指輪の意味は考えなくてもわかる。

指には自由きままにいてほしいから、指輪は嫌い。そんなものを常日頃いつだって身につけているのは何から身を守るため??わたし?

 

りんごが腐って水分を出している。腐食したにおいもせず。

 

悲しくてどこか嬉しくて無音が心地よい。白い綿毛を編んで、大きなハンモックを作りましょう。その中に籠って出てこなくなってやる。たまごの殻だっていい。

手編みの緩いニット帽、あげる。

男らしい声をした人が苦手。宝石のついた指輪を、やたらと私に見せつけるのはどうして??本当に腹が立つ。女は、実は私はあなたの恋人にはなれなかったけれど、あなたの同僚にはなれました、と作り出した優越感に浸っている。虚しいものこそ人生というものよ。

ワイングラス片手にお説教されようが、私はがむしゃらにパークソテーにしゃぶりつく。

口紅を塗る余裕もない日々がただ過ぎていく。花瓶を割らないように、生きたい。ただそれだけ。

じゃがいもの芽

たしか私は大袈裟なことを言った。

水風船に、帰りの汽車代を詰めた。マックのハンバーガーだとかそういうものを食べてお腹が痛くなることを伝えてからでないと、あなたとは暮らせないと思った。悲しくてもいいし、飛べなくてもいいけどそれだけは伝えておかないと。

 

酸っぱいジュース

いっぺん死んでみろ!って、思う。

私はあなたがきらい。きらいできらいでしょうがない。むかつく。私のこと好きじゃないなら消えてしまえ。あのさあ。わかってるのかな。そこのところ。私が言いたいのはそこのところ。

 韓国に行ったんだったね。ほんとうに、楽しかったの?その旅行。

 恋もしたく無い。恋なんてしてたまるか。

 いつの間にか、あなたは私の腕を縛った。こんにちはっていう間もなく縛った。あなたのこともっと知りたいって思った。。

旅行に行こうと思う

前の日の夜、キャリーバッグに荷物を詰める

最近買ったお気に入りのワンピースを丁寧に畳んで入れる

朝早く起きる

早起きは苦手だけど旅行の日の朝は目覚ましが鳴る前に起きられる

 

あなたから起きた?って連絡が来ている。

おはようって返信する。

カーテンを開ければ、朝の薄い光が入り込む。

私は、

 

上野東京

 キョロキョロと忙しなく窓の外を眺める乗客がいるが、窓の外を見たところで今ここがどこなのか、わかるのだろうか?(いや、わかるまい)。

 高校生の頃、熱心な国語の先生は、熱くセンスオブワンダーを読み上げた。暑苦しいほどであった。あれは夏の日でしょうか。我思う、ゆえに我ありデカルトの言葉。どんなことを訴えていた文章だったのかは覚えていないが、そんな風に断片的に思い出せるわけ。プールの後みたいな風が吹く午後1番の教室に響く、先生の声と共に。それなりに鬱屈したなんとも言えない気持ちと眠気。彫刻刀で落書きされた私の机。どっかに行きたくて、行きたくて、でも眠たくて、先生は暑苦しくて、前の席の坊主は真面目にノートを取っていて、昨夜の夢はとても幸せで。あの頃の私は、ヨボヨボの老人にチューブを繋げてゴボゴボと喀痰する光景を見たことがなかったし、そんな光景が存在することも知らなかった。電車に乗るのが怖くて息ができなくて死ぬかと思っていたけれど、それで人は死なないことも知らなかった。

 「あのさ、実は‥」って言ってみたくてここまで生きてきたけれど、「あのさ、実は‥」って言えるシーンはなかなかない。実は‥みたいなものを持ってはいるけれど、そういうのってあんまり人に話すべきではないんだろうなと思うし、人に話すことで私も楽になりたかったりするんだけど、それって相手に私が1人で持っていた負担を分け与えることになる。それほどの人に私はまだ出会っていないのかもしれないし、私がそれほどの人と思えるハードルが高すぎるだけなのかも知れない。まだまだ私も若いはずと思い続けてきたけれど、そういう人をもっと貪欲に追い求めてもいい年齢なのかもしれないし、そういう人をさっさと作り出しちゃったっていいのかもしれない。そんなのさ、わからないんだよ。

 休みの日に電車に乗る時間はあまりに短い。もっともっと乗っていたいと思う。永遠につかなければいいのにと思う。

 亡き王女のためのパヴァーヌが訴えかける静謐さにより私が何者でもないことを実感させる。

 同世代の軍団を見るとなんとなく不快な気持ちになるのは私が若くてまだ諦めていないからなのかしら。それはそれでいいことなのかもしれないわね、とトマトを丸かじりしながら思うのでした。赤い汁が指を伝って滴り落ちた。おじいさんがすごい勢いで菓子パンを貪り食いながらスマートフォンをいじっている。元気でよろしい、とはじけた気分。踊り出したい夢。人類捨てたもんじゃない。ワクワクしてしょうがない。ロボットなんかに負けてらんない。私は今日もきれいに整理された家に帰って、オレンジの香りの入浴剤を入れた温かい風呂に浸かり、たくさんの泡で全身をつるっと洗い上げ、ふわふわのバスタオルで柔らかく卵のような体を拭いてあげて、先ほど作って冷やしておいた緑茶をごくごくと飲む。ラウリル硫酸ナトリウム入りの歯磨き粉で歯をつるつるに磨き上げ、舌ブラシでベロもきれい。コンクールでうがいをし、この世の何よりもきれいでまっさらな私。ふかふかの布団にダイブする。完璧な夜をやりとげた。